ことしの奄美大島でのウミガメ産卵確認は260回 過去最少に

ことし、奄美大島でウミガメが産卵しているのが確認された回数は260回で、調査を始めてから最も少なくなったと地元の研究グループが発表しました。

奄美大島近海の生き物の生態系を調査している奄美海洋生物研究会は、ウミガメが産卵時期を迎えることし4月から9月にかけて、奄美大島で確認された産卵回数は260回で、調査を始めた2012年以来、最も少なくなったと発表しました。

奄美大島で産卵しているのはアカウミガメとアオウミガメの2種類で、特にアカウミガメの産卵は46回で、10年前の663回と比べ1割以下に減少しています。

研究会によりますと、はっきりした原因は分かっていないということですが、主な生息域となっている東シナ海で行われる漁業の網に引っかかったり、餌の減少で大人のカメが減っていることなどが考えられるということです。

また、近年、観光客の間ではシュノーケリングでウミガメの観察が盛んに行われていることから、研究会では、ストレスを与えすぎないようにするための取り組みが重要になるとしています。

奄美海洋生物研究会の興克樹会長は「奄美大島の海岸はウミガメが産卵できる世界的にも貴重な海岸ですが、減り続けているのが現状です。産卵できる浜を守るための取り組みを続けていきたい」としています。