鹿児島県警 相次ぐ不祥事 “組織的な問題も要因のひとつ”

警察官による相次ぐ不祥事について、鹿児島県警察本部は「個人の資質の問題だけでなく、組織的な問題も要因のひとつだ」という認識を示した上で、再発防止に向けた取り組みを徹底していく考えを強調しました。

鹿児島県警察本部では、ことし4月、大麻とみられるものを購入し麻薬特例法違反の罪で起訴された巡査が懲戒免職処分を受けたほか、ことし5月には、交通事故の捜査書類を偽造した巡査部長と、勤務時間中にゴルフをし拳銃を近くに放置していた警部補がそれぞれ停職処分を受けました。

このほか、減給処分も含めると懲戒処分を受けた職員は先月末までに5人と、全国の都道府県警察の中で6番目に多くなっています。

これについて、21日の記者会見で西畑知明警務部長は「非違事案を防止したり事前に認知したりする取り組みが十分でないと受け止めている。個人の資質の問題だけでなく業務管理の不徹底という組織的な問題も要因の一つだ」と述べた上で、再発防止に向けた取り組みを徹底していく考えを示しました。

一方で、霧島警察署の58歳の巡査部長が、20代の女性の勤務先に押しかけるなどしたとして、先月2日にストーカー規制法違反の疑いで書類送検された事件については「発表事案ではないため、事実の有無を含め回答を差し控える」として、21日の会見でも明らかにしませんでした。

この事件で被害者の女性はNHKの取材に対し、警察署に相談しても適切な対応を受けられず、相談内容などを記録した文書も残されていなかったなどとして、一連の対応に不信感を訴えています。

これについて西畑警務部長は「警察に寄せられた相談については真摯に対応している」と述べたうえで、職員が関わるいわゆる「監察事案」については「口頭または書面で上司に報告することになっている。必ずしも書面が作成されるわけではないが組織的に対応している」と説明しました。

会見の最後に改めて一連の対応について問題がなかった問われた野川明輝本部長は「県民から寄せられている意見や要望に耳を傾け、信頼を得られるよう努力していく」と述べました。