自殺死亡率全国4位 県が自殺対策の基本計画年度内策定へ

去年、鹿児島県の人口あたりの自殺による死亡率は全国で4番目に高くなりました。
県は20日自殺対策を話し合う会議を開き、女性に対する支援の強化などを盛り込んだ基本計画を年度内に策定することになりました。

この自殺対策の協議会の会議は鹿児島市で開かれ、県や医療機関などから16人が出席しました。

県によりますと、去年1年間に県内で自殺した人は315人で、人口10万人あたりの自殺による死亡率は20.3人と全国で4番目に高くなっています。

会議では、県内の自殺者は65歳以上の高齢者が多く、特に男性が多い一方で、子育て世代の女性や学生・生徒など若い世代でも増えていることが示されました。

その上で、県が来年度から新たに取り組む自殺対策の基本計画の素案が示され、県内の市町村に自殺対策についての情報提供や自殺未遂者などを支援する職員への研修を行うほか、新型コロナで孤立した妊産婦をはじめとする女性に対する相談体制を強化するなど、早期の発見や対応を進めていくことを確認しました。

この素案について、県は、年明けにパブリックコメントを行い、年度内に計画を策定したいとしています。

協議会の会長で鹿児島大学大学院医歯学総合研究科の中村雅之教授は「コロナ禍や経済的な問題など鹿児島県は社会の流れにかなり影響を受けている。支援すべきところに支援を向けるため、しっかりと取り組みたい」と話していました。