鹿児島県出身者の戦没者追悼式 遺族らが平和への祈り
戦争で亡くなった8万人を超える鹿児島県出身者を追悼する戦没者追悼式が7日、鹿児島市で開かれ、参列した遺族らが平和への祈りをささげました。
会場の県総合体育センター体育館には県内各地から遺族を中心におよそ700人が参列しました。
この追悼式は、1868年の戊辰戦争から太平洋戦争までの間に戦争で亡くなった県出身者、およそ8万5000人を追悼するため、毎年、鹿児島県が開いています。
追悼式では、はじめに、全員で黙とうをささげました。
続いて、太平洋戦争で兄や義理の父を亡くしたいちき串木野市の宇都トミ子さん(77)が遺族を代表して追悼のことばを述べ、「今も世界のどこかで戦争が続いています。あちこちで紛争や政治的弾圧が起きるといつも立場の弱い罪なき人たちが犠牲になっています。平和の大切さを訴えて戦争犠牲者や遺族をなくすのは私たち遺族が忘れてはならない使命だ」と訴えました。
このあと、参列者は献花台に菊の花をささげて戦争で亡くなった人たちを悼み、平和への祈りをささげました。
薩摩川内市から参列し、太平洋戦争で義理の父を亡くした80歳の女性は、「祖国を心配しながら亡くなっていったことを想像しつつ、子どもたちがこれからも平和で過ごしていけるよう願いながらお参りしました。二度と戦争が起きず、平和であることだけを祈っています」と話していました。