全国障害者スポーツ大会 卓球選手たちが全力プレー

全国障害者スポーツ大会「かごしま大会」は2日目の29日、鹿児島市で卓球が行われ、それぞれの選手たちが全力でプレーしました。

全国障害者スポーツ大会、「かごしま大会」の卓球は、鹿児島市の西原商会アリーナで行われ、体に障害のある人と知的障害のある人、それに精神障害のある人たちでクラスを分けて戦いました。

視覚障害のある春田ゆかり選手(53)は、中に金属が入っていて、音が鳴るピンポン球を使い、ネットの下を転がして打ち合うサウンドテーブルテニスに出場しました。

春田選手は2歳のときの病気がきっかけで徐々に視力が低下し、いまは全盲となって盲導犬の「ジュノウ」と生活しています。

岡山県の選手と対戦した第2試合は、最初の2ゲームを落としましたが、緩急をつけたサーブで相手のミスを誘うなど追い上げを見せ、最終ゲームに持ち込みました。

最終ゲームは、力強いショットに音を頼りに鋭いリターンを見せ、ゲームカウント3対2で勝ちました。

春田選手はブロックで2勝し、金メダルを獲得しました。

春田選手は、「まさか優勝できるとは思っていなかったのでとてもうれしく、いい宝物になりました。あと30年後まで頑張りたいと思います」と喜びを語りました。

一方、一般の卓球で精神障害のクラスには28日の開会式で旗手を務めた田中正信選手(64)が出場しました。

田中選手は、27歳のときに仕事がきっかけでうつ病となり、この大会にはこれまで支えてもらった人への感謝を胸に戦いました。

ブロックで1勝1敗となり、銀メダルとなりましたが、高校の同級生たちが応援に駆けつけるなど、歓声を背に戦った田中選手は、試合後、終始、笑顔を見せていました。

田中選手は、「今まで支えてくれた人たちへの感謝の気持ちがあふれてきて胸いっぱいです。地元でこんなにすばらしい機会に巡り合えてよかったです」と涙を流しながら話していました。