温泉で渋柿の渋抜く「あおし柿」作り さつま町の紫尾温泉

渋柿の渋を温泉につけて抜く、独特の「あおし柿」作りが、ことしもさつま町の紫尾温泉で始まりました。

紫尾温泉でのあおし柿作りは100年の歴史があるとされ、鹿児島の秋の風物詩ともなっています。

町の公衆浴場「神の湯」には専用の露天風呂が設けられ、今月から客が持ち込んだり店で販売したりする渋柿の渋抜きが始まりました。

渋柿は、38度ほどに温度調節した温泉に15時間から20時間つけると渋みが抜け、本来の甘みを感じることができるようになるとということです。

ただ、渋みの程度や柿の大きさによって、つけ込む時間を調整する必要があるということで、26日朝も7時前から、管理している男性が一晩つけた渋柿の味を見て渋が抜けているか確認していました。

ことしは、夏の猛暑の影響で収穫時期が去年より遅く、今のところ渋抜きの量も3分の1ほどだということです。

「神の湯」の管理人の西田隆三さんは「シャキシャキとしていますが、渋は抜けていて、かすかな硫黄の香りがする温泉の風味も味わえるのがあおし柿の魅力です」と話していました。

紫尾温泉の「あおし柿」作りは来月下旬まで続き、浴場の売店で販売されています。