餌の価格高騰 鹿児島の黒豚生産者支援を知事に要望

家畜の餌となる原料価格の高騰が続く中、県内の精肉店などで作る団体が県庁を訪れ、塩田知事に黒豚の生産者の支援につながる対策を求めました。

県庁を訪れたのは、「県食肉生活衛生同業組合」で、肥後辰彦理事長が塩田知事に要望書を手渡しました。

要望書では、餌の価格上昇分を補てんする制度の予算の確保を国に求めることやPR活動を行い消費拡大に取り組むことなどを求めています。

「かごしま黒豚」は、鹿児島を代表する農畜産物として認定されるかごしまブランドの1つですが、飼育期間が長く産まれる子どもの数が少ない上、ロシアによるウクライナ侵攻で輸入される家畜の餌の原料価格の高騰が続いていて、生産者の経営は厳しい状況だということです。

このため、廃業や黒豚よりも飼育期間が短い品種の豚への生産に切り替える動きがあるほか、物価高騰による消費者離れが懸念されるとしています。

肥後理事長が「黒豚が安定して生産、流通できるようお願いします」と述べたのに対し、塩田知事は「制度について国に要望したい。黒豚を守るためにも生産、加工、流通、販売といったあらゆる視点で取り組んでいきたい」と答えていました。

要望のあと肥後理事長は、「消費されないと畜産関係者みんなに影響するので、うまく流通するよう取り組んでもらいたい」と話していました。