大崎事件再審求め 弁護団や支援者が事件現場の周辺を調査

44年前、鹿児島県大崎町で、義理の弟を殺害した罪で服役した原口アヤ子さんが、無実を訴えて再審=裁判のやり直しを求めている「大崎事件」で、14日、アヤ子さんの弁護団や支援者などが事件現場の周辺を調査しました。

原口アヤ子さん(96)は、昭和54年、大崎町で、当時42歳の義理の弟の殺人と死体遺棄の罪で10年間服役しましたが、その後、一貫して無実を訴えています。

原口さんの弁護団や支援者などは、14日、22度目となる事件現場周辺の調査を行いました。

このうち、被害者が遺体で発見される3日前に、酒に酔って自転車で側溝に落ちた現場では、支援者などが参加者に当時の状況を説明し、人形と自転車を使って転落した状況を再現していました。

4度目の再審請求で、福岡高等裁判所宮崎支部が、ことし6月、再審を認めない決定をしています。

これに対して弁護団は、新しい証拠として提出した、自転車の事故などが原因で義理の弟が亡くなったとする救急救命医の鑑定について、高裁が証拠の総合的な評価を行わず、自白などをもとに再審を認めなかったのは、判例に違反しているとして最高裁判所に特別抗告しています。

支援者の武田佐俊さんは、「なぜこんなにこの国の人権は蔑ろにされているのかを、市民や地域住民などにもっと広めなければならない」と話していました。