「医療的ケア児」と家族を支援 鹿児島市に県内初の拠点設置

人工呼吸器やたんの吸引などが日常的に必要な「医療的ケア児」やその家族を支援する新たな拠点が、鹿児島県内では初めて鹿児島市に設置されました。

鹿児島市桜ヶ丘にある県こども総合療育センター内に設置されたのは「県医療的ケア児等支援センター」です。

5日の開所式には医療的ケア児やその家族など20人あまりが参加しテープカットが行われました。

県によりますと、病気や障害で、人工呼吸器やたんの吸引などが日常的に必要な医療的ケア児は、令和2年の時点で県内に242人います。

センターには2人の看護師が常駐し、祝日を除く月曜日から土曜日までの午前9時から午後5時まで電話や窓口などで相談を受け付けるほか、子どもが通う保育園や学校などに出向いて支援を行います。

また各地の看護師が専門知識を学ぶセミナーも開かれ人材育成の拠点としても期待されています。

式のあと、保護者たちが塩田知事と懇談し、夜間を含めつきっきりでたんの吸引を行うなど悩みを抱えていることや、そうした悩みを周囲に相談しにくいことを説明したうえで、支援の継続を訴えていました。

医療的ケア児の母親で、県内の家族会の代表の柿内祥子さんは、「家族だけでは担えないことを支援してくれる人が増え、地域で応援してもらえるようになってほしい」と話していました。