鹿児島市の保育園で不適切な保育 市が園に対し改善求める指導

鹿児島市の保育園で、去年の夏からことし1月にかけて、2人の保育士が複数の1歳の園児に対して、頭をたたいたり両耳を引っ張ったりするなど、不適切な保育を行っていたとして、市が園に対し、改善を求める指導をしていたことがわかりました。

指導を受けたのは、鹿児島市にある認可保育園です。

市や保育園によりますと、去年の夏からことし1月にかけて、1歳児のクラスの担当だった40代と20代の女性保育士2人が、1歳の園児7人に対し、17回にわたって、頭やおしりをたたいたり両耳を引っ張ったりしたほか、胴体を抱えて強い勢いで座らせるなどしていたということです。

市はことし1月、「園が不適切な保育をしている」という情報を把握し、その後の立ち入り調査で園から聞き取りをした結果、頭をたたくなどの行為が確認できたため、市は「不適切保育」として、ことし6月、改善を求める文書を園に送り、指導したということです。

これを受けて、園は先月、再発防止策を盛り込んだ報告書を市に提出し、市では内容が十分か検討したうえで、継続的に指導していくことにしています。

園によりますと、保育士2人は「ことばで言っても分かってくれない年齢の子どもに対し、行き過ぎた指導をしてしまった」という趣旨の説明をしていたということです。

また、これまでのところ園児に目立った健康被害はなく、保育園では被害を受けた園児の保護者に謝罪するとともに、5日に保護者説明会を開いて、改めて謝罪することにしています。

この保育園は「職場環境の改善も含めて、再発防止に努めていく」と話しています。

鹿児島市保育幼稚園課は「保育園は子どもの命をあずかる責任ある施設なので、保育に十分に気をつけるとともに、子どもの人権、人格を尊重してほしい」と話しています。