森有礼が大久保利通に渡したとみられる名刺発見 鹿児島で展示

薩摩藩出身で初代・文部大臣を務めた森有礼が大久保利通に渡したとみられる名刺が見つかり、鹿児島市の黎明館で展示が始まりました。

森有礼の名刺は、黎明館が大久保家から譲り受け収蔵している資料から新たに見つかりました。

縦7.8センチ横3.6センチで、表は漢字で、裏はローマ字で名前が記されています。

薩摩藩出身の森有礼は、明治18年に伊藤博文内閣で初代の文部大臣を務め、学校制度の礎を作った人物として知られています。

名刺の余白部分には「大久保様」や「昨夜、近況について丁寧なお使いを送って下さりありがとうございました」といった内容が書かれていて、同じ薩摩藩出身で17歳年上の大久保利通宛てに書かれたものだと見られます。

この名刺が書かれた背景や時代は、特定できないということです。

黎明館の崎山健文学芸専門員は、森有礼の古いしきたりを打ち破る合理的な考え方の一端が伺えるとした上で、「大久保は周囲から恐れられていたような人で、普通なら怖がって名刺でお礼を伝えることはないと思いますが、意味が伝われば手紙でも名刺でも同じだという偉い人にもそんたくしない森らしさが現れている」と話していました。

この名刺は、鹿児島市の黎明館で開かれている資料展で、来月27日まで展示されます。