1億円超詐取の被告「農園経営の利益で返済するつもりだった」

「JR九州の役員だけの高利率の預金プランがある」などとうそをつき、知り合いなどからおよそ1億6000万円をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている被告の裁判で19日、被告人質問が行われました。
この中で被告は、「農園の経営による利益を返済に充てるつもりだった」と説明するとともに、「皆の心を踏みにじる思いをさせ申し訳ない」と述べました。

鹿児島市伊敷台の無職、徳田哲也被告(69)は、8年前からおととしにかけて、「JR九州の役員だけの高利率の預金プランがある」などとうそをつき、県内を中心とした知り合い12人からおよそ1億6000万円をだまし取ったとして詐欺の罪に問われています。

鹿児島地方裁判所で行われた裁判で19日、被告人質問が行われました。

被告は知り合いなどから多額の金を集めていたとされる8年前、友人から農園を購入していて、弁護士から理由について問われると、「農園の営業利益が3000万円出ていると知り、返済に充てられると思い購入した」と述べました。

しかし、その後、農園の経営は赤字が続き、被害者からだまし取ったとされる金も農園の営業資金に回していたことを説明しました。

一方、被告が5年前ごろに車を購入したことについて、検察官から「その費用を返済に充てるべきではなかったか」と指摘されると、「返済しようと思ったが購入した」と述べました。

また、弁護人から被害者に対する思いについて聞かれると、被告は「皆さんの心を踏みにじる思いをさせ、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と述べました。

裁判は21日に開かれ、求刑や最終弁論が行われる予定です。