巨大電波望遠鏡を学生が手入れ 国立天文台VERA入来観測局

銀河系の星を観測するため、薩摩川内市に設置されている国立天文台の巨大な電波望遠鏡のメンテナンス作業を、望遠鏡を研究で使っている鹿児島大学の学生らが行いました。

この電波望遠鏡は、薩摩川内市と鹿児島市の境の標高540メートルの入来峠にある「国立天文台VERA入来観測局」に22年前に設置されました。

高さ23メートル、直径20メートルの可動式の巨大なパラボラアンテナを備え、鹿児島大学が星の誕生やブラックホールについて調べるため銀河系の星を観測しています。

ただ、大気に水蒸気が多く観測が難しい夏の2か月ほどは、年1回のメンテナンス期間にあてられていて、作業の一部を学生がみずから行っています。

6日は、天文学を学ぶ学生や大学院生6人のほか、指導する助教らが参加し、アンテナを動かすギアについた古いグリスをへらでそぎ落とし、はけで新しいグリスを塗る作業を行っていました。

参加した女子学生は「望遠鏡の設備の関係で低いところもあるのでしゃがんでの作業が大変でしたが素晴らしい望遠鏡を使わせてもらえていることに感謝します」と話していました。

鹿児島大学大学院理工学研究科の中川亜紀治助教は「学生たちが望遠鏡を管理して観測したデータを研究し論文にまとめ上げるという経験の中で、こうした作業は重要な作業のひとつだと思っています」と話していました。