中国の強襲揚陸艦 大隅海峡を初めて通過 防衛省

防衛省は、中国海軍の強襲揚陸艦が鹿児島県の大隅海峡を通過して太平洋に出たと発表しました。
空母に次ぐ大きさがある中国の強襲揚陸艦が、大隅海峡を通過して太平洋に出たのが確認されたのは初めてで、防衛省が警戒と監視を続けています。

防衛省によりますと、29日正午ごろ、中国海軍の強襲揚陸艦と駆逐艦合わせて2隻が、鹿児島県の草垣群島沖の東シナ海を航行し、大隅海峡を通過したあと太平洋に出たのを確認しました。

また、中国海軍の補給艦など別の2隻が、鹿児島県の奄美大島沖の日本の接続水域を航行して太平洋に出たのが確認されたということです。

強襲揚陸艦が草垣群島の南およそ40キロの接続水域を航行していた際には、ヘリコプター1機が飛び立ち、駆逐艦に着艦したのが確認されたということです。

これに対し、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進して対応し、領空侵犯はありませんでした。

強襲揚陸艦は、多くの人員やヘリコプターなどを搭載することができる空母に次ぐ大きさがある艦艇で、中国海軍ではおととし、初めて就役して以降、これまでに3隻が配備されています。

中国海軍の強襲揚陸艦が大隅海峡を通過して、太平洋に出たのが確認されたのは初めてです。

防衛省関係者によりますと、これらの艦艇は太平洋で長期間の訓練を行う可能性があるということで、防衛省が警戒と監視を続けています。