鹿児島市長が説明会で退席 理由は“資料を読む”ため

鹿児島市の下鶴市長が先月、県議会議員に呼びかけて、サッカースタジアム構想などの説明会を開いたのにもかかわらず、開始直後に退席したことについてNHKが調べたところ、理由は「資料を読む」ためだったことが分かりました。
市長の退席をめぐっては、参加した県議から「別の日にしたほうがよかったのではないか」などと批判が出ていました。

鹿児島市の独自のサッカースタジアム構想が県も巻き込んで議論となる中、下鶴市長は先月26日の午後4時から、県議会議員に呼びかけて説明会を開きましたが、市長は開始から数分で庁内での公務を理由に途中で退席しました。

参加した県議からは「公務があるなら別の日にしたほうがよかったのではないか」などと批判が出ていて、NHKが情報公開請求で調べたところ、この公務が「資料目通し」と呼ばれる資料を読む作業だったことが分かりました。

開示された資料では、午後4時半から午後5時45分までの間、市長室で「資料目通し」と記載されているのが確認できます。

「資料目通し」はこの日3回行っていて、1回目と2回目は15分と10分でしたが、このときは1時間15分に上っています。

退席した際、県議から疑問視する声が上がり、市によりますと、市長は会場近くで資料の一部を読んだあと、再び説明会に戻ったということです。

この説明会は、ことし4月の県議会議員選挙後に、市長みずからが提案し開催に至ったものでした。

下鶴市長は「直後に渋谷・鹿児島おはら祭や中核市市長会が予定されていた」として、このとき資料を読む必要があったと説明しています。

説明会で下鶴市長が退席しようとした際に呼び止めた共産党の平良行雄県議は、「資料を読む方が重要という判断だったのかと、信じられない対応で腹立たしく思う。ひざをつきあわせて県議と一緒に話をしたいというのであればきちんと対応してもらいたかった」と話していました。

また、同じく説明会に参加した自民党の宝来良治県議は「執行部が説明すること自体は問題なかったと思うが、その場に同席してもらうことがベストだったと思う。次回があれば時間を調整して同席してもらうことが大事だ」と話していました。