鹿児島市の県道が車線減少で渋滞悪化 背景にはあの動物が…

県道の鹿児島吉田線について、以前、謎の一時停止で渋滞が発生しているということについて特集しました。そして再び、鹿児島吉田線で新たに1車線になる区間があり、渋滞がひどくなっているということについて、調査依頼が寄せられました。どうなっているのか、取材しました。
                      
(鹿児島局 柳沢直己)

【斜面からの落石】
現在、県道鹿児島吉田線のすぐ横の斜面では工事が行われています。そして、近くに設置された看板には「落石」の文字が目立ちます。県によると、3月初めから、道路脇の斜面からの落石が数回確認されたため、対策の工事を行っているということです。しかし、どうして落石が相次いだのでしょうか。


【背景には あの動物が…】
背景には、なんとある動物の存在がありました。

それは、イノシシです。

ことし4月には、鹿児島市の住宅地でも、その姿が目撃されています。イノシシには、地中からエサを探す習性があります。県が4月に撮影した写真では、イノシシが斜面を掘り起こした穴が複数確認できました。そこから、落石が発生したというのです。通行規制は、この穴をふさぐ工事の影響で、行われているものでした。

【工事の早期完了を望む声も】
もともと交通量が多く、謎の一時停止の影響で、朝はたいへんな渋滞が発生していたこの道。イノシシの影響で、さらに渋滞がひどくなっているのです。こうした状況に、よくこの場所を散歩しているという人は。

(地元の男性)
「僕が速いか車が速いかいつも比べている。工事はものすごく遅いね、こんなに渋滞なのに。車でここを通る人は8時半から仕事が始まると思うんだけど、みんな大変だよね」

現場ではほかにも「規制が始まってから、より渋滞しやすくなったように感じる。早く工事が終わって欲しい」といった声も聞かれました。

設定されている工期は12月7日まで。県によると、進み具合によっては工期が短くなることもあるということでしたが、イノシシによる影響は、この先も続きそうです。

【調査依頼を募集します!】
NHK鹿児島放送局には、たくさんの道路に関する疑問が届いています。いただいた依頼は、記者が「かごしま調査団」として随時取材し、回答していきます。調査依頼は、ホームページからどんどんお寄せください。