フグが海底に幾何学模様 海のミステリーサークル撮影

「海のミステリーサークル」とも呼ばれる神秘的な模様を海底に描くことで知られるアマミホシゾラフグの産卵の様子が、ことしも撮影されました。

奄美大島近海などに生息するアマミホシゾラフグは、オスが貝殻などを運び海底に円形の幾何学模様を描くことで知られ、産卵の時期を迎えたメスを誘うための行動だと考えられています。

地元ダイバーや愛好家の間で「海のミステリーサークル」とも呼ばれるその神秘的な模様が、ことしも撮影されました。

撮影は、先月末に奄美大島近海の生き物を調査している奄美海洋生物研究会の興克樹会長が、奄美大島と加計呂麻島の間にある海峡の水深25メートルの場所で行いました。

映像では、直径およそ2メートルもの幾何学模様が描かれているのがわかります。

そして、模様に引き寄せられたのか、近寄ってきたメスがオスと体をこすりあわせて産卵を行う様子が捉えられていました。

このあと、卵がふ化するまでのおよそ1週間、オスが卵を守り続けるということです。

奄美大島近海では7月までが産卵のピークだということです。

興会長は「体長10センチほどのフグが2メートルほどの大きな造形を描く様子は、何度見ても見事だと感じます。奄美の海の多様性を守るため、引き続き調査を進めていきたい」とコメントしています。