新サッカースタジアム 鹿児島市 北ふ頭での整備検討方針示す

鹿児島市のサッカースタジアム構想をめぐり、市は6日開かれた市議会の特別委員会で建設候補地としてきたドルフィンポート跡地と住吉町15番街区を断念し、新たに「北ふ頭」での整備を検討する方針を示しました。
これに対し出席した委員からは、「早計な方針変更だ」といった厳しい指摘が相次ぎました。

6日開かれた市議会の特別委員会で、鹿児島市の担当者はこれまでサッカースタジアムの建設候補地としてきたドルフィンポート跡地と住吉町15番街区について、それぞれ代わりの緑地の確保が難しいことや、土地の拡張が必要になることから断念する方針を明らかにしました。

そのうえで新たに「北ふ頭」での整備を検討する方針を示しました。

その理由として、市は、▽北ふ頭の面積はおよそ7.5ヘクタールで、スタジアム整備に必要とされているおよそ3.5ヘクタールの土地を確保できる点や、▽水族館や桜島フェリーの乗り場に近く、回遊性や集客性の向上が見込まれることを挙げています。

一方、北ふ頭をめぐっては鹿児島と奄美群島を結ぶフェリー乗り場などがあり、港湾計画の変更が必要だといった課題も指摘されています。

出席した委員からは、「早計な方針変更であり、浅はかではないか」とか「断念した予定地と同じてつを踏むのではないか」といった厳しい指摘が相次ぎました。

これに対し午後から委員会に呼び出されて出席した下鶴市長は「2つの候補地については検討を重ねてきたが、実現は厳しいと判断した。まちなかスタジアムの効果・意義について丁寧に説明し、北ふ頭での整備に向けて検討を進める」と述べて方針変更に理解を求めました。

市は今後、県の検討委員会での議論を通じて北ふ頭での整備の可能性を検討するとしています。

【塩田知事は】鹿児島市のサッカースタジアム構想をめぐり、市が新たに「北ふ頭」での整備を検討する方針を示したことについて、塩田知事は6日夕方、記者団に対し、「検討の経緯やどういうものを整備しようとしているのか詳細が分からないので、まずは鹿児島市から話を聞きたい。港湾としての機能にどういった影響があるかや、人流や物流をどうするかなどが検討課題になるのではないか」と述べました。

また、仮に整備する場合のスケジュールについて、「今ある航路をつけかえるとか、それに伴う設備の移転が起きてくると大がかりな話になり、かなり時間はかかるのではないか」と述べたうえで、港湾計画を変更する場合、一般的に変更には10年近くかかる可能性があるという認識を示しました。