マイナ保険証 システム導入の県内4割でトラブル

マイナンバーカードと一体化した健康保険証について、医療従事者でつくる団体が調査したところ、システムを導入した開業医などの4割あまりが「トラブルがあった」と回答していることがわかりました。

マイナンバーカードと一体化した健康保険証をめぐっては、今年度から専用の読み取り機を医療機関に設置することが原則として義務化されていますが、他人の情報が登録されたケースが全国で7300件余り確認されるなどトラブルが相次いでいます。

これについて、医師や歯科医師でつくる県保険医協会が今月、調査したところ、システムを導入したと回答した129の開業医などのうち、41パーセントが「トラブルがあった」と回答していることがわかりました。

具体的には、読み取った情報と健康保険証の情報が異なっていた事例や、読み取り機がうまく作動しなかったり、患者が使い方を理解できなかったりして、窓口が混雑した事例などが報告されたということです。

一方、別の人の情報が誤って登録されたという報告は県内ではなかったということです。

また政府が来年秋には、現在使われている健康保険証を廃止することを目指していることについては、48パーセントが反対、19パーセントが賛成と回答しています。

反対の理由については「高齢者に負担が大きい」とか、「情報漏えいなどに強い不安がある」といった意見が寄せられたということです。

会見で県保険医協会の高岡茂副会長は「高齢者などが医療を受ける権利を侵害されるおそれがあり、健康保険証の廃止を急ぐべきではない。マイナンバーカードと保険証を併用できるようにすべきだ」と訴えていました。

マイナンバーカードと一体化した健康保険証について、今年度からマイナンバーカードから保険資格などを読み取るシステムを医療機関に設置することが原則として義務化されています。

使い方は、事前に健康保険証とひも付けたマイナンバーカードを専用の読み取り機器に置いて、顔認証の機能などで本人確認を行います。

そして医療情報の提供などについて、同意の確認を行います。

厚生労働省は、これにより過去の診療や薬の情報、それに特定健診の結果などが見られるようになり、質の高い医療の提供につながるとしています。

一方で、他人の情報が登録されたケースが全国で7300件余り確認されるなどトラブルが相次いでいて、今回の調査でも、全面的な導入に医療機関側の不安感が強いことが浮き彫りになりました。

総務省によりますと、鹿児島県内のマイナンバーカードの交付率は先月末時点で75.7パーセントで、81.8パーセントの宮崎県に次いで全国で2番目に高くなっています。