甑島沖で瀬渡し船炎上・沈没 船に乗っていた14人全員救助

甑島沖で瀬渡し船炎上・沈没 船に乗っていた14人全員救助

24日午後、甑島の沖合で、14人が乗っていた瀬渡し船が炎上し、その後、沈没しました。
船に乗っていた全員が海に飛び込んだあと別の船に救助され、けがはありませんでした。

火事が起きたのは、薩摩川内市の甑島の沖合を航行していた瀬渡し船の「未来丸」です。

第10管区海上保安本部によりますと、24日午後1時40分ごろ、船長から「火災が発生した。至急救助をお願いしたい」と通報がありました。

船には乗客12人と船長、それに船員1人のあわせて14人が乗っていましたが、火が出た後、全員が海に飛び込み、通報からおよそ20分後に別の船に救助されけがはありませんでした。

その後、近くを航行していたフェリーが消火活動を行いましたが、船は炎上を続け、午後3時すぎに沈没したということです。

瀬渡し船は下甑島から釣り客を乗せて阿久根市の港に戻る途中、下甑島の長浜港から東におよそ6キロの沖合で火災が起きたとみられるということです。

調べに対し船長は「機関室のふたを開けたところ、黒煙が出てきたので、全員、救命胴衣を着けて海に飛び込んだ」と話しているということで、第10管区海上保安本部は当時の状況や出火の原因を調べています。

【救助にあたった下甑島の漁船の船長は】
炎上した船の乗客の救助にあたった下甑島の漁船の船長、下野尚登さんは「ほかの船の船員から『沖で船が燃えている』と聞き、慌てて港を出港した。到着したときには黒煙がすごく、付近を見ると、乗客や乗員がクーラーボックスやライフジャケットを使って海に浮いていた。ショックで弱っていたり、水温が冷たくて震えていたりしていたので一刻も早く安心させるために船上に上げることを目指した。寒いと訴えた2、3人は私の操船室で暖を取ったが、だんだん安心して回復していくのがわかった」と話していました。