特攻作戦で帰らぬ人に 3人の特攻隊長紹介する企画展 南九州

南九州市の知覧特攻平和会館で、戦時中の特攻作戦で帰らぬ人となった3人の特攻隊長の写真や遺書などを紹介する企画展が行われています。

黒木國雄大尉と荒木春雄大尉、それに桂正大尉の3人は、太平洋戦争末期の昭和20年5月11日、特攻隊長として知覧から沖縄戦に出撃し戦死しました。

3人は陸軍士官学校の同期生で、当初、戦車などを扱う機甲兵として養成されていましたが、戦局が悪化する中、航空兵としての教育を受け、卒業後、特攻隊長に命じられました。

南九州市の知覧特攻平和会館で開かれている企画展では、3人の写真や家族に宛てた手紙などが展示され、このうち、荒木大尉が妻に宛てた最期の手紙には「許しておくれ。お前の行く先、長き一生を考えると断腸の思いがする。心堅固に多幸に暮らしてくれ」とつづられていたことが紹介されています。

このほか、黒木大尉がきょうだいに宛てた手紙や桂大尉が両親に送った遺書なども展示されています。

3人と同じ陸軍士官学校の57期生のうち、55人が特攻隊員として出撃し帰らぬ人になったということです。

知覧特攻平和会館の羽場恵理子学芸員は「遺品や日記などから特攻隊員となる前にどのような事を学び、どのような人生を歩んだか一人ひとりの人生を知ってもらいたいです」と話していました。

この展示は来月末まで行われています。