中学校で「強迫性障害」を学ぶ 病気に悩んだ漫画家が特別授業

極めて強い不安感などで日常生活に支障が出る「強迫性障害」の経験を描いた鹿児島の漫画家が、中学校で行われた特別授業で、「病気も個性として認め合う社会になってほしい」と呼びかけました。

強迫性障害は、極めて強い不安感やこだわりを持ち、それを打ち消すための行為を繰り返すようになって、日常生活に支障が出る疾患です。

鹿児島で活動する漫画家のつくしゆかさんは、この「強迫性障害」に悩んだ経験を基にした漫画を去年、出版していて、14日は、国際的な教育プログラムの一環として多様性の理解に取り組んでいる鹿児島市の私立鹿児島修学館中学校に招かれ、特別授業を行いました。

つくしさんは、1年生に向けた授業の中で、手が荒れるまで手洗いを繰り返すといった症状を説明したあと、やめたくてもやめられないようになっている人たちにどう接するか問いかけました。

生徒たちはグループに別れて話し合い、「『手洗いはいいことだが手が可哀想』だと声をかけるのがいいと思う」などと発表し、強迫性障害に悩む人への接し方について考えを深めていました。

つくしさんは授業の終わりに、「今は“十人百色”の時代だ。病気も含めてそれぞれの個性として認め合って優しい社会になってほしい」と語りかけていました。

中学1年生の女子生徒は「横にいて見守り、その人や病気のことを理解できる人になりたい」と話していました。

つくしさんは「いろんな病気や特性を持つ人がいて、それぞれに応じた対応を考える機会になればと思って授業をしました」と話していました。