餌の原料の魚粉が高騰 垂水市のカンパチ養殖業者は苦境に

餌の原料の魚粉が高騰 垂水市のカンパチ養殖業者は苦境に

養殖のブリやカンパチの主なエサの原料となっている魚粉の価格が円安などで高騰しています。
養殖漁業の現場では、餌を与える頻度を減らすなどの対応を余儀なくされ、出荷までの期間が延びるなどの影響が広がっています。

県内の養殖漁業では、イワシなどの魚を砕いた「魚粉」を主な原料とする配合飼料に生の魚をまぜて、ブリやカンパチなどに与えています。

このうち魚粉については、ペルーなどからの輸入が多く、中国などでの需要の高まりや円安が原因で1トンあたりの価格が去年、20万円を超え、10年前の2012年のおよそ2倍となっています。

37の業者が300万匹以上のカンパチを飼育している垂水市の漁業協同組合によりますと、魚粉の価格高騰の影響で業者の多くが、エサをあたえる回数を週に2回程度に減らしたり、魚粉を含む配合飼料の割合を減らしたりするなどの対応を余儀なくされているということです。

その結果、稚魚から出荷するまで、これまでは2年間だったのが、今後は2年半かそれ以上に伸びる可能性があり、漁業者の経済的な負担が増しています。

垂水市漁業協同組合の業者会の米田竜一会長は「30年以上養殖をやっているが、これまでで最も高い。出荷までの時間が延び、収入も減り、経費が増える悪循環となっています。打つ手がないのが現状です。国や県から補助を頂きたいです」と話していました。