「パワー半導体」の基板の開発ライン 来春伊佐市に新設

電気自動車の普及にともなって今後、大幅な需要の増加が見込まれ、世界でも2社しか作れないという特殊な「パワー半導体」の基板の開発ラインが来年春伊佐市に作られることになりました。

開発ラインを新設するのは住友金属鉱山の子会社で東京の半導体基板メーカー「サイコックス」です。

来年度に親会社が同じで伊佐市大口にある「大口電子」の工場内に設けられることになりました。

17日は伊佐市役所で2社の社長と橋本欣也市長が出席して立地協定の締結式が行われ橋本市長は「伊佐市の経済発展と雇用確保にご尽力いただき心からお礼を申し上げます」とあいさつました。

開発されるのは、電気を効率よく動力に変換するパワー半導体の基板です。

1ミクロン以下の単結晶のシリコンカーバイドを特殊な技術で8インチの支持基盤に貼り合わせて作ります。

主に電気自動車の駆動制御装置で使われるもので、現在、主流となっているシリコンよりも電力ロスが少ないため航続距離の向上や装置の小型化に貢献できるということです。

こうした基板を作る技術は、世界でもサイコックスとフランスの企業の2社しかないとされ、サイコックスは来年春に開発ラインを稼働させたうえで再来年には月間5000枚程度の生産を目指していくことにしています。