鹿児島市の医薬品開発に関わる企業 うなぎを10万尾生産へ
環境省がニホンウナギを「絶滅危惧種」としてから2月1日で、10年になりました。
国産の養殖うなぎの生産量でおよそ4割を占める鹿児島県では医薬品開発に関わる企業が、稚魚のシラスウナギの大量生産に向けて研究を進め、2026年度には10万尾を生産できる体制の確立を目指すとしています。
鹿児島市に本店を置き医薬品開発の受託を事業の柱とする新日本科学は、9年前からうなぎの研究を始め、6年前には、人工海水を使ったシステムでシラスウナギまで育てることに成功しました。
2019年からは水質の良い沖永良部島に新たに研究施設を設けて、天然の海水を使った大量生産の研究に取り組んでいて、今回、その施設に初めてカメラが入りました。
施設はいくつかの部屋に分かれ、このうち、ふ化した幼生をシラスウナギになるまで育てる部屋では、研究員がえさを与えるたびにおなかの張り具合などでえさを食べているかどうか確認していました。
最初は3尾だったシラスウナギの生産は、えさの研究と環境の改善に取り組んだ結果、昨年度は436尾まで増え、ふ化後、5パーセントから8パーセントまではシラスウナギに育てられるようになったということです。
これを受けて会社では2026年度には10万尾を生産できる体制を整え、天然のシラスウナギに頼らないニホンウナギの養殖体制の確立を目指すとしています。