馬毛島の補償金 一部組合員が根拠求める質問状を漁協に提出

馬毛島での自衛隊基地の建設計画で、地元の種子島漁協は、防衛省が提示した漁業補償金を受け入れ周辺海域の漁業権を一部放棄するかどうか、近く判断することにしています。
こうした中、一部の組合員は30日、漁業補償金の積算根拠などについて回答を求める質問状を漁協に提出しました。

西之表市の馬毛島では、在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先などとして、防衛省が今月12日から自衛隊基地の本体工事に着手しました。

おおむね4年と見込まれる工事期間中とその後1年程度の事後調査の間、周辺海域では漁が制限されたり漁業権の一部がなくなることから、防衛省は地元の種子島漁協に対し、22億円の漁業補償金を支払うことを提示しています。

これについて種子島漁協は、組合員270人余りを対象に漁業補償金の受け入れや漁業権の一部放棄に同意するかどうか回答を求めていて、3分の2以上の同意が得られれば、臨時総会を開き漁協としての対応を決めることにしています。

一方、馬毛島周辺で漁を行ってきた組合員5人は30日、漁業補償金の積算根拠や補償の期間などについて、詳しい情報を明らかにするよう求める公開質問状を漁協に提出しました。

質問状では「基地の本格的な運用開始後、周辺海域での漁業は深刻な操業困難に陥るおそれがある」としていて、「歴史ある地域漁業の存亡に関わる問題であり、真摯かつ迅速な回答を求める」としています。