奄美群島の日本復帰から69年 奄美市で記憶を語り継ぐ会

奄美群島が、アメリカの統治下から日本への復帰を果たしてから25日で69年になるのを祝い、奄美市では、復帰に尽力した人たちをしのび当時の記憶を語り継ごうという集会が開かれました。

奄美群島は戦後、アメリカの統治下に置かれ、本土との行き来が制限されたほか配給制のもと慢性的な食糧不足に陥るなど困難が続きましたが、復帰運動を経て、69年前の12月25日、日本への復帰が実現しました。

25日は奄美市のおがみ山に、地元の人など20人ほどが登り、復帰運動の中心人物だった詩人の泉芳朗の銅像に花をたむけました。

その後、奄美市市民交流センターでもおよそ160人が参加して、集会が開かれ、会場で復帰を祝う歌の「朝はあけたり」が流されると、当時を知る人たちは歌詞を思い出しながら口ずさんでいました。

集会では若い世代を代表して、金久中学校2年の吉村龍馬さんが「僕たちひとりひとりにできることは偉大な奄美の先人たちの歴史を風化させること無く未来へつなげることです」と決意を述べました。

集会の参加者で中学3年生のときに復帰を経験した才田一男(84)さんは「当時、一番感じたのはこれで自分も日本人になれた、という気持ちでした。来年は復帰から70年なので復帰のことを語り継いでいきたい」と話していました。