奄美の戦前の要塞跡が新たに国の史跡に指定へ
大島海峡を挟んで奄美大島と加計呂麻島に構築された旧日本軍の要塞跡が新たに国の史跡に指定されることになりました。
16日に開かれた文化庁の文化審議会で、新たに国の史跡に指定されることになったのは、瀬戸内町にある「奄美大島要塞跡」です。
この「要塞跡」には当時、連合艦隊の停泊地となっていた大島海峡を守るように設けられた3つの施設が含まれています。
このうち「手安弾薬本庫跡」は、昭和6年に完成し風圧や湿気から弾薬を守るため二重の構造になっています。
瀬戸内町の教育委員会によりますと当時、日本で最も優れた施設だったとされていますが、終戦後、弾薬はすべて大島海峡に廃棄されたということです。
また西古見砲台跡は4年前に直径5点5メートルの砲座が町による調査で森の中で確認されました。
そして海峡を挟んだ加計呂麻島側の「安脚場砲台跡」も史跡に指定されました。
いずれも保存状態が良く、旧日本軍の歴史を知るうえで価値が高いと評価されました。
遺跡を管理する瀬戸内町教育委員会の鼎丈太郎主査は「遺跡の性格上、負の遺産という部分もありますが、なぜこういったものが作られたのかというのを考えること自体が平和に繋がってゆくのではと考えています」と話していました。