「奄美のガンジー」と呼ばれた泉芳朗の日記 初めて一般公開へ
戦後、アメリカ軍に統治されていた奄美群島で、非暴力の復帰運動を率い「奄美のガンジー」と呼ばれた泉芳朗の日記が、本土復帰から69年となる今月25日にあわせて、初めて一般に公開されることになりました。
徳之島出身で詩人の泉芳朗は、署名活動やハンガーストライキなどを通じて、奄美群島の本土復帰を訴え「奄美のガンジー」とも呼ばれました。
9年前、茨城県に住む泉の親族の家から本人の日記が見つかり、専門家による研究が進められていますが、本土復帰から69年となる今月25日の「日本復帰記念の日」にあわせて初めて一般に公開されることになりました。
日記には、サンフランシスコ平和条約が発効し、奄美群島が日本の施政権から切り離された昭和27年当時の自身の心境や島民の様子がつづられていて、本土への復帰をめぐってさまざまな臆測が飛び交う中、「内報に動揺せず初志貫徹のため共に奮斗せん」と人々の団結を呼びかけたことが記されています。
また、日記とともに見つかった詩の原本などもあわせて公開されます。
このうち、昭和24年に発表された代表作の「島」は、時代の波に翻弄される奄美の悲しみをうたい、人々の復帰運動を支える大きな力になったとされています。
泉の日記などは、「日本復帰記念の日」の集会が開かれる奄美市の市民交流センターで、今月25日に一般に公開され、その後、奄美博物館でも展示が予定されているということです。