深海に生息のダイオウイカ 喜界島沖合で漁業者が釣り上げ撮影

奄美群島の喜界島の沖合で、深海に生息する巨大イカの「ダイオウイカ」を地元の漁業者の男性が釣り上げ撮影しました。
専門家は「奄美周辺での映像はかなり珍しい」と話しています。

撮影したのは喜界島の漁業者、米盛幸汰さん(28)です。

今月6日の午後4時ごろ、喜界島の沖合で、水深およそ450メートルからしかけを引き上げていたところ、いつもと違う手応えがあり、釣り上げたところダイオウイカだったということです。

このとき米盛さんが撮影した映像では、海面まで釣り上げられたダイオウイカが、漁船の近くで長い腕をなびかせている様子が確認できます。

米盛さんによると、見た限りでも2メートル以上あったということです。

米盛さんは、あまりの重さで船まで引き上げることはできず、腕の一部を切り取って海に戻しました。

切り取った腕を「バターしょうゆ焼き」にして試食した友人は、「かめばかむほどしょっぱい」と話していたということです。

米盛幸汰さんは「深海の生物はなかなか目にすることがないので、自分が撮った動画で奄美や喜界島のPRができたのなら、いいことができたのではないかと思います」と話していました。

ダイオウイカに詳しい鹿児島大学の加藤早苗准教授によると、ダイオウイカは冬の日本海で弱った状態で目撃されることが多く、今回のようなケースは珍しいということです。

加藤准教授は「奄美周辺のダイオウイカが映像に撮られるのは、かなり珍しいのではないかと思います。泳いで腕も動かしているので、弱まっているんだろうなとは思いますが、ひん死というほどではない。海、自然、地球、そして人との関わりに注目が集まれば非常に意義深いのではないか」と話していました。