馬毛島の市所有地を防衛省に売却する議案 西之表市議会に提出

馬毛島への自衛隊基地の建設計画をめぐり、地元・西之表市は、島にある小中学校の跡地などの市の所有地を防衛省に売却する議案を市議会に提出しました。

アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先として自衛隊基地の建設計画が進む馬毛島は、すでに大部分が国有化されていますが、島の東側には西之表市が所有する小中学校の跡地が残されています。

これについて八板市長は、防衛省からの土地の取得申請を受けて売却する方針を決め、9日開かれた市議会の本会議で売却に向けた議案を提出しました。

市によりますと、馬毛島にある小中学校の跡地はおよそ8800平方メートルあり、売却金額は3300万円余りとしています。

また、あわせて、島にある市道の廃止や防衛省が種子島側の下西校区に整備する方針を示している自衛隊宿舎の用地の売却も追加提案しました。

基地建設に反対する住民は、小中学校の跡地など市有地の取り扱いは国の計画に抵抗する数少ない手段と位置づけていただけに、売却の方針を決めた八板市長の判断に反発が強まっています。

議案の採決は、本会議最終日の今月30日に行われる見通しです。

市議会では、基地建設への賛成派が7人、反対派が7人と勢力がきっ抗していますが、採決に加われない議長が反対派から選出されているため、賛成多数で可決される公算が大きくなっています。

西之表市が、馬毛島にある小中学校の跡地など市の所有地を防衛省に売却する議案を提出したことについて、八板市長は記者団の取材に対し「基地建設を容認することとは無関係で、行政手続きとして整理した」と述べました。

一方で、議案の提出は、基地建設に同意できないとした選挙公約に反するという指摘については「公約は常に頭に置いて実現を図っているが、現実にも対応しなければならず、公約違反とは考えていない。市民の理解を得られるよう、いろいろな機会を通じて説明しなければならない」と述べました。

9日の議案提出について、基地建設に賛成の立場をとる西之表市の杉為昭市議会議員は「議案が提出されたことは評価したいし、方向性には賛同できるが、その経緯を見ると市民を置き去りにしている。反対する市民にも寄り添い説明責任を果たすべきだ」と述べました。

一方、反対の立場をとる宇野裕未市議会議員は「基地建設への賛否とは関係なく行政手続きの一環だという説明は、市民の立場からしても到底納得できるものではない。市長はもう一度信を問うべきではないか」と述べました。

一方、浜田防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「自衛隊の馬毛島基地の安定的な運用と適正な管理、そして円滑な運営に資する手続きだと認識している。今後の対応について鋭意検討を進めていきたい」と述べました。