馬毛島の基地建設計画 市長が市議会で“賛否”の明言避ける

馬毛島への自衛隊基地の建設計画について、地元・西之表市の八板市長は、2日開かれた市議会の本会議で「市民の不安解消にはいたっておらず、現時点で同意・不同意が言える状況にはない」と述べ、基地建設への立場について明言を避けました。

アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先として、馬毛島に自衛隊基地を建設する計画について、西之表市の八板市長は、先月開催した住民説明会での意見を踏まえ、基地建設への一定の考えを示すとしていました。

こうした中、2日から始まった西之表市議会の本会議で、八板市長は、基地建設に伴う国の交付金などを活用した地域の活性化に期待の声がある一方、騒音被害や漁業への影響など不安の声が根強いことに触れ「賛否をめぐる多様な意見がある中で、基地建設のみが進み、負の影響のみを甘受する事態は避けなければならない。私の使命は市民の安心安全の確保と不安の解消に全力を尽くすことだ。いまだ市民の不安解消にはいたっておらず、現時点で同意・不同意が言える状況にはない」と述べ、基地建設への立場について明言を避けました。

そのうえで「今後とも市民の安心安全を守る立場から、市民の期待と不安に対する具体的な措置を講じるよう国に求めていく」と述べ、国との協議を続けて行く考えを強調しました。

西之表市の八板市長が、基地建設への立場に対する明言を避けたことについて、市議会では賛否両方の議員から批判の声が聞かれました。

賛成の立場をとる西之表市の杉為昭議員は「単刀直入に言って残念だ。判断を伸ばせば伸ばすだけ、市民の隔たりはますますひどくなるのではないかと危惧している。市長が明言しないことには、市民は迷うと思う」と話していました。

一方、反対の立場をとる宇野裕未議員も「方向性を示すと繰り返し言っていたので、今回の表明には言葉を失った。苦しい立場だとは思うが、市長が明確に判断ができないのであれば、防衛省がスケジュールを見直すよう働きかけをしてほしい」と述べ、市長の態度を批判しました。

2日の市議会には賛否両方の立場の市民が傍聴に訪れていました。

このうち基地建設に賛成している「西之表市と馬毛島の未来創造推進協議会」の鮫島忠雄会長は「賛否をある程度表明すると思っていたので、それがなかったのは残念だ。ただ、はっきり賛意を示さなかったことは完全なマイナスではなく、少しでも前向きになっていると理解している」と、話していました。

一方、反対の立場をとる「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の三宅公人会長は「はっきりと言わなかったが、ほぼ黙認という発言をしたと思っている。同意・不同意を言えないということ自体が選挙民に対する裏切りであり、辞任してもう一度選挙を行うべきだ」として、八板市長の態度を非難しました。

浜田防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「西之表市の八板市長の発言の詳細について現時点では把握しておらず、改めて報告を受けたい。いずれにしても、引き続き、地元の声にしっかりと耳を傾け、西之表市長と緊密に意思疎通を図った上でいっそう連携していきたい」と述べました。