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「ナラ枯れ」で伐採された林を小学生らが再生へ 栃木 さくら

樹木の伝染病「ナラ枯れ」で伐採された公園の林を地元のボランティアや小学生が再生する取り組みがさくら市で始まりました。

さくら市の中心部にある勝山公園にはコナラやクヌギなどが生い茂る林があり住民の憩いの場として親しまれていましたが、去年樹木の伝染病「ナラ枯れ」が発生し、40本以上が伐採されました。
この林を再生させようと、地元のボランティア団体の呼びかけで苗木を育て植樹する取り組みが行われることになり、2日はさくら市立南小学校の3年生およそ90人が公園でどんぐりから芽が出たばかりの小さな苗を掘りました。
児童は10センチから20センチほどの苗木を選んで根を切らないように注意して苗の周りを掘り起こし、土と一緒に植え替え用の鉢に入れていました。
掘った苗は小学校に持ち帰って3年かけて育て、高さ1メートルほどになったら公園内に植えるということです。
参加した児童は、「掘る時に根っこが切れてしまうのが難しかったですが、上手にできました」とか、「枯れないように毎日コツコツ水やりをして、病気にならないように元気にさせてあげたいです」などと話していました。
ボランティア団体、「うじいえ自然に親しむ会」の高橋伸拓会長は「自分でとった苗木を自分で育て、永久に残っていくというのが分かってもらえれば、この林に愛着を持ってもらえるのではないかと思います。大きく、幹は太く育ってもらいたい」と話していました。

さくら市で環境保全活動に取り組むボランティア団体、「うじいえ自然に親しむ会」によりますと、ナラの林は近くの鬼怒川から吹きつける強風から公園内にある勝山城の土塁の遺構など史跡を守る役割もあったといいます。
林が防風林の役割を果たし風化を防ぐことにもつながっていたということです。
ボランティア団体の高橋伸拓会長は「この公園は冬場は特に風が強い場所です。ナラの林が土塁や堀が崩れるのを防ぐので、史跡の保全のためにも非常に重要です」と話していました。
07/02 16:41
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