NHK 各地のニュース
宮崎県のニュース
NHK宮崎放送局

県高野連 熱中症対策のクーリングタイム 条件大幅引き下げ

野球の試合中に選手が冷房の中で休憩する「クーリングタイム」。
県高校野球連盟は、夏の大会で導入したばかりのこの熱中症対策について、試合中に選手が救急搬送されたことを受け、8日から急きょ、実施条件を大幅に引き下げることを決めました。

「クーリングタイム」は、県高校野球連盟が6日に開幕した夏の大会から熱中症対策として新たに導入したものです。

県内に「熱中症特別警戒アラート」が発表された日の2試合目と3試合目に実施され、5回終了後の10分間、選手たちがエアコンのある部屋に移動し、水分補給などをすることになっていました。

しかし、7日昼前から宮崎市で行われた試合の途中、選手の1人が足をつるなどして熱中症の疑いで病院に救急搬送されたこと受け、県高野連はクーリングタイムの実施条件を大幅に引き下げることを決めました。

これまでは、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」の予測値が県内16の観測地点のすべてで35以上となり、熱中症特別警戒アラートが発表されることが条件でしたが、8日からは予測値が1か所でも31以上になれば、当日のすべての試合でクーリングタイムを設けます。

特別警戒アラートより1段階低い警戒アラートの発表基準は33以上となっているため、警戒アラートが出ていない状況でも対策が取られることになりました。

県高野連は「特別警戒アラートを条件に対策を導入してみたが、見直すべきだと判断した」としています。

【選手1人搬送 2時間後には回復】
熱中症が疑われる選手が出たのは、7日の正午前から宮崎市のアイビースタジアムで始まった都城工業と宮崎農業の試合です。

選手の1人が試合中に足をつるなどの症状を訴え、熱中症が疑われるとして病院に救急搬送されました。

県高校野球連盟によりますと、この選手は点滴を受けて、およそ2時間後には回復し、帰宅したということです。

県内では7日、暑さ指数が33以上になると予測される地点があったため、気象台と環境省から熱中症警戒アラートが発表されていました。

【熱中症“特別”警戒アラートとは】
県高校野球連盟が当初、クーリングタイムを取る条件としていた「熱中症特別警戒アラート」は、ことしから運用が始まったもので、従来の熱中症警戒アラートより一段上に位置づけられています。

「人の健康に重大な被害が生じるおそれがある過去に例のない広域的な危険な暑さ」を想定した対応で、これまでに特別警戒アラートに該当する暑さとなった事例は全国的にありません。

このアラートが発表された場合、言わば、「災害級」の危険な暑さが予想されることになるため、そもそも試合自体を実施すべきかどうかの判断が問われる状況だと言えます。

実際、愛知県の高野連では、熱中症特別警戒アラートが発表された場合、試合を中止し、順延することにしています。
07/07 23:03
ニュース・トップへ

NHK宮崎放送局
テキスト版トップ / 全国のニュース

(c)NHK