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クロマグロ 規制 漁獲枠増で京都府の漁業者は期待の声

太平洋でとれるクロマグロの資源管理を話し合う国際会議が16日閉幕し、日本の近海を含めた中西部太平洋での大型のマグロの漁獲枠をこれまでの1.5倍とするほか、小型についてもはじめて漁獲枠を増やすことで合意しました。
京都府の沖合は近年、マグロの漁場になってきていて、地元の漁業者からは期待する声がきかれました。

北海道で開かれていた国際会議では、日本の近海を含めた中西部の太平洋でのクロマグロの漁獲枠を話し合っていました。
その結果、▼30キロ以上の大型はこれまでの1.5倍に、▼30キロ未満の小型は1.1倍に増やすことで合意したということです。
これによって日本の漁獲枠も▼大型で2800トンあまり、▼小型で400トン、それぞれ増えることになります。
小型のクロマグロの漁獲枠が増えるのは、いまの漁獲規制が始まった2015年以来、初めてです。
今回の合意内容は、ことし11月から開かれる上部組織の会合で、正式に決定される見通しで、水産庁は、「今回合意された案が正式に採択されるように引き続き交渉を進めていきたい」としています。
京都府の漁業者からは、今後、自分たちの漁獲枠が増えることに期待する声が聞かれました。
水産庁の統計では、令和5年度の京都府内のクロマグロの漁獲量はおよそ71トンで、関西では和歌山県と並んでトップレベルの漁獲量になるなど近年、京都府沖はクロマグロの有望な漁場になってきています。
そのクロマグロの漁獲量の9割ほどを占めているのが、京都府の沿岸30地点に設置されている大型の定置網です。
このうち、舞鶴市の田井地区にあり、2つの漁場で定置網漁を行っている水産会社は、これまでクロマグロが網に入りすぎて漁獲枠を超えそうな場合には網から逃がしてきたと言います。
▽30キロ以上の大型魚は網の一部を沈めて、▽30キロ未満の小型魚はたも網ですくうなどして逃がしてきたということです。
定置網漁は多様な魚が取れるため選別が難しく、すべての魚を逃がさざるをえないケースもあるということです。
府の海洋センターによりますと、令和3年度に京都府沖の定置網に入ったクロマグロを逃した量は、▽大型魚は漁獲量のおよそ3倍、▽小型魚はおよそ10倍だったということです。
水産会社の言上精一社長は「これまで網にマグロが入りすぎるとほかの魚と一緒に逃がすなどして資源管理に協力してきた。今後、漁業者が納得できる漁獲枠にしてほしい」と話していました。


07/17 17:34
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