広島県教育委の複数職員を書類送検 官製談合などの疑い

広島県の前の教育長と親交のあるNPO法人が県教育委員会の事業を受注していた問題で、3年前の事業で、委託先を決める前にこのNPOを有利にする対応をしていたとして、警察が教育委員会の複数の職員を官製談合防止法違反などの疑いで書類送検したことが、捜査関係者への取材でわかりました。
広島県の平川理恵前教育長と親交がある京都市のNPO法人「パンゲア」が県教育委員会の複数の事業を受注していた問題をめぐっては、市民グループが前教育長や関係する職員を刑事告発していました。
警察は教育委員会の職員から任意で事情を聴くなどして捜査していましたが、3年前に契約が行われた高校の探究活動について、委託先を決める前にこのNPOを有利にする対応をしていたとして、県教育委員会の複数の職員とNPO側の職員を官製談合防止法違反や入札妨害の疑いで、5日、書類送検したことが、捜査関係者への取材でわかりました。
一方、平川前教育長については、こうした対応を明確に指示したとは認められないとして、書類送検の対象にはならなかったということです。
一連の問題を受けて県の依頼で調査にあたった弁護士は、教育委員会の職員が受注先の選定を行う前にこのNPOに受注させる前提で県内の高校に周知していたことなどから、公正さを害していたと認定していました。

NHKが県教育委員会に情報公開請求をして開示された資料によりますと、3年前に公募型プロポーザルが行われた高校の探究活動の事業で、前教育長と親交のあるNPO法人「パンゲア」は別の事業者を評価値で上回って選定され、「提案が最適である」とする決定通知書が出されていました。
この事業をめぐり、県教育委員会の職員が「パンゲア」を有利にする対応をしていたとみられています。

複数の職員が書類送検されたことについて、県教育委員会は「こうしたことが事実であれば、検察の判断を注視していきたい。また、検察から対応を求められれば、誠実に対応していきたい」とコメントしています。