原爆供養塔納骨名簿の発送

広島に投下された原爆で亡くなった人のうち、名前が明らかになっていながらいまだに遺骨が引き取られていない人の遺族を捜すため、広島市は、1人ひとりの名前が記された名簿を全国の自治体などに発送する作業を行いました。

広島市の平和公園にある原爆供養塔には、引き取り手のないおよそ7万人の遺骨が納められていて、このうち813人は名前が明らかになっていますが遺骨を引き取る遺族が見つかっていません。
広島市は遺族を捜すため、813人の名前や当時の年齢、それに亡くなった場所などを載せた「原爆供養塔納骨名簿」を全国の自治体や被爆者団体などに送る作業をきょう、市役所で行いました。
市によりますとこの名簿などがきっかけとなって、去年までに1002人の遺骨が遺族の元に戻りましたが、被爆から79年となる中問い合わせは年々、減っているということです。
広島市は、ことしから発送先に沖縄県平和祈念資料館など平和関連の9施設を新たに加え、市のホームページにも名簿を掲載しています。
広島市原爆被害対策部調査課の黒田信幸課長補佐は、「来年の被爆80年を前に1人でも多くの方の目に触れてもらい、遺族捜しにつながるきっかけになってほしい」と話していました。