廿日市の大学生殺害事件 被告は「兄弟」と説明

3年前、廿日市市のホテルで知人の大学生にアルコールを摂取させ、意識障害を生じさせて殺害した罪などに問われている被告の裁判で、証人尋問が行われ、大学生を搬送した救急隊員が「被告は大学生との関係を『兄弟だ』と説明していた」などと証言しました。

広島市西区の南波大祐被告(33)は、3年前、知人の愛知県の21歳の男子大学生に睡眠導入剤を混入させた飲食物を摂取させたうえ、廿日市市内のホテルに連れ込み、注射器を使ってアルコールを摂取させ、意識障害を生じさせて殺害したなどとして、殺人などの罪に問われています。
18日に始まった裁判で、検察が「被告は自身に多額の生命保険をかけた上で大学生を自分の『替え玉』として殺害し、自分の弟になりすまして保険金を受け取ろうとした」と主張したのに対し、被告の弁護士は「殺害や殺意について争う」などと述べています。
広島地方裁判所で開かれた19日の裁判では証人尋問が行われ、被告から通報を受けて大学生を搬送した救急隊員は、「病院に向かう救急車の中で、被告は男子大学生との関係を『兄弟だ』と説明し、大学生のものだとして、被告の名前が書かれた保険証を提出してきた」などと証言しました。
また、保険会社の担当者は、「事件の4か月前から3か月前にかけて、被告は自身が死亡した際の保険金を9000万円追加してきた」などと証言しました。
20日の裁判でも証人尋問が続けられる予定です。