“かつての安芸国に城が” 広島に新たな古代山城を発見

飛鳥時代から奈良時代にかけて、大陸からの侵攻に備え北部九州から瀬戸内の各地に築かれたとされる山城、古代山城の遺構が新たに広島市と東広島市にまたがる山で見つかりました。

古代山城の遺構が見つかったのは、広島市と東広島市にまたがる「長者山」の北東の山域です。
地元の教育委員会の情報を得て、研究者などでつくる「古代山城研究会」が去年2月から現地を調査した結果、標高がおよそ350メートルから600メートルの山域を取り囲むように、土塁が巡っていることが分かりました。
土塁の長さはおよそ2.4キロに及んでいて、地元で「長者門」と呼ばれている遺構が、土塁と接続する古代山城の城門だったことも分かりました。
今回の発見で、これまで古代山城の空白地域とされてきたかつての安芸国に城が築かれていたことが明らかになり、研究会によりますと確認された古代山城としては、25か所目になるということです。
古代山城研究会の向井一雄代表は「7世紀後半に北部九州から瀬戸内海沿岸にかけて古代山城がいくつも造られたが、安芸国でもそういった城が造られていたことが明らかになった。安芸国の成立にも関わる大きな遺跡の発見だ」と話しています。