各務原市の水路から国の暫定目標値の18倍超のPFAS検出

有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS」の一部について、専門家などが各務原市の水路の水を調べたところ、最大で国の暫定目標値の18倍を超える濃度で検出されたことがわかりました。

これは各務原市で29日に開かれた講演会の中で京都大学大学院の原田浩二准教授が明らかにしました。
それによりますと、原田准教授などがことし5月、各務原市内の水路など6か所の水を調べたところPFASの一部のPFOSとPFOAの濃度は航空自衛隊岐阜基地の西側の水路で最も高く、1リットルあたり903.6ナノグラムと国の暫定目標値の50ナノグラムの18倍を超えていました。
去年10月に同じ場所の水を調べたときは、54.8ナノグラムだったということで、原田准教授は「採水した時点での水の流れなどが関係していると思う」と話しています。
基地では過去にPFASの一部を含む泡消火剤を保有していたことがあり、近くにある市の水道の水源地からもPFASが高い濃度で検出されていますが、因果関係はわかっていません。
原田准教授は「水路の位置からすると、基地内の雨水が集まるような所なので、基地の土壌の表層にかなりPFASが残っているのではないか。現在も水源地の濃度は高く、発生源を特定して流出を止めることが重要だ」と話していました。
各務原市と県は原因究明などを話し合う県の専門家の会議で必要だと判断された場合、基地内の土壌の調査を自衛隊側に要望する方針です。
また、29日は水道の水質改善に向けた対策を検討する市の専門家会議も初めて開かれました。
専門家からはPFASは分解しにくく取り除かないとなくならないため水道には使わないものの濃度が高く、取水を停止している井戸からも水をくみ上げたほうがよいという意見などが出されたということです。
会議では今後、新たな水源の確保なども含めて議論する予定です。