「恵」運営の事務所 岐阜市内2施設でも食材費を過大徴収

障害者向けグループホームを全国で展開している運営会社「恵」の事業所が、利用者から食材費を過大に徴収していた問題で、岐阜市内の2か所の施設でも500万円余りを過大に徴収していたことがわかり、市は不正が明らかになった場合は行政処分などを行うとしています。

東京・港区に本社がある「恵」が運営する障害者向けグループホームをめぐっては、利用者から食材費を過大に徴収したり、障害福祉サービスの報酬を不正に請求していたことが明らかになっています。
厚生労働省によりますと、食材費の過大徴収は、6月20日現在、全国104の事業所のうち77か所で行われ、過大徴収の総額は2億9900万円あまりにのぼっています。
岐阜市にある2か所の施設でも、44人に対して500万円余りの過大徴収があったことがわかり、6月までに全額が返還されたということですが、市はほかにも不正がなかったかについて調査を続けています。
岐阜市の柴橋市長は、26日の記者会見で、「慎重に確認をすすめている段階であり、不正行為が明らかになった場合は、法令にのっとって行政処分を行う」と述べました。
また、この問題をめぐって、愛知県や名古屋市は、5つの事業所に対して、26日、指定を取り消す行政処分を行いました。
これにあわせて厚生労働省は、会社が組織的に不正に関与していたとして、全国のほかのグループホームなどについても、今後、事業所としての指定の更新を認めない、いわゆる「連座制」を適用すると会社に通知しました。
岐阜市の2つの施設は、2027年12月末と2028年4月末に、更新の期限を迎え、運営ができなくなる見通しです。
柴橋市長は「施設の利用者の皆さんが生活をしておられるので、どう対処していくかが最大の関心事項です。厚生労働省の方針を見定めて今後の対応を考えていく」と話しています。