国の史跡に各務原市の古墳と郡上市の館跡・城跡が指定へ

各務原市にある古墳と、郡上市にある鎌倉時代から室町時代の領主の館や城の跡が、国の史跡に指定されることになりました。

新たに国の史跡に指定されるのは、各務原市鵜沼羽場町にある「坊の塚古墳」と、郡上市大和町にある「東氏館跡及び篠脇城跡」です。
このうち「坊の塚古墳」は、4世紀末ごろに作られたとみられる長さ約120メートルの前方後円墳で、円筒埴輪や壺形土器が多数出土しています。
奈良地方のものと同じ特徴を持つ円筒埴輪と、この土地特有の特徴を持つ壺形土器の両方が確認されたことから、地方勢力との関係を保ちつつ中央政策が展開されたことがうかがえるとして評価されています。
一方、「東氏館跡及び篠脇城跡」は、鎌倉時代から室町時代にかけて、今の郡上市大和町の一帯を治めた「東氏」の館と山城の跡で、山のふもとには館の跡が、山頂から山腹にかけては防御施設を伴った城の跡が残っています。
15世紀から16世紀に東氏がふもとから山頂に住居を移し、その後、山城に変化させたと考えられ、地方有力者の住む場所が変遷する様子を見ることができる遺跡として評価されました。
国の文化審議会は、24日、文部科学大臣に答申を行い、正式に指定されれば、岐阜県内での国の史跡は31件になります。