伝統工芸など課題支援 岐阜県で専門家など設立

原材料の入手や道具の調達が難しいといった伝統工芸などの課題について専門家らが支援する団体が岐阜県で設立されました。

この団体、一般社団法人「技の環」は、県内の伝統工芸の専門家などがことし2月に設立しました。
メンバーの一部が伝統技術に用いる道具の調査に携わる中で、伝統工芸の原材料の入手や道具の製作や修理、それに後継者の育成などが困難になっている事例を県内外で目の当たりにし、設立を決めたということです。
団体では職人から課題を聞き取るなどしたうえで、道具の製作者や行政などの関係者との仲介や情報提供といったサポートを行うことにしています。
メンバーはこれまでに長良川の船大工が鵜舟の造船に使う道具の調達や飛騨地方伝統の漆塗り「飛騨春慶」に用いる桜の樹皮の不足の対応などに携わってきたということで、こうした経験も生かして伝統技術の継承に貢献していきたいとしています。
「技の環」の代表理事で、岐阜県立森林文化アカデミーの久津輪雅教授は、「現場を訪ねて解決へのお手伝いをしたい。同様の団体は全国でもあまり例が無いのでよい見本になっていきたい」と話していました。