瑞浪市で化石発見の絶滅ほ乳類 水中を中心に生活か

おととし、岐阜県瑞浪市で見つかった絶滅したほ乳類、パレオパラドキシアの化石を市の化石博物館などが調査した結果、後ろ足の骨のつきかたなどから水中を中心に生活していたとみられることがわかりました。
専門家は「生態の解明につながる」と期待を寄せています。

パレオパラドキシアは約1200万年前に絶滅したほ乳類で、姿や生態など不明な部分が多く、「謎の絶滅生物」と呼ばれています。
瑞浪市では、おととし6月、国内では初めて背骨が腰から首までつながった状態の化石が見つかりました。
瑞浪市化石博物館は国立科学博物館の専門家などと化石の調査を進め、報告書をまとめました。
それによりますと、後ろ足はすねの骨がねじれ、がに股のようにひざが外側に向き、つま先は前を向いていたことがわかったということです。
また、後ろ足の指の断面が平らな形状になっていて、後ろ足を前後に動かして泳いでいたと考えられるということです。
パレオパラドキシアの生態はいくつかの仮説がありますが、水中での生活が中心だったと見られることがわかり、国立科学博物館の甲能直樹・生命進化史研究グループ長は、「謎とされていた生態の解明につながる」と期待を寄せています。
今回の調査は各分野の専門家、約20人で行われ、通常は残りにくい軟骨とみられる化石が石灰化した状態で見つかったということです。
報告書や3Dの骨格イメージは瑞浪市化石博物館のホームページの「研究報告」の項目から見られます。