両親殺害の罪 53歳被告に懲役29年の判決

おととし関市の自宅で両親を殺害したなどとして、殺人などの罪に問われた53歳の被告に対し、岐阜地方裁判所は懲役29年の判決を言い渡しました。

山田清美被告(53)はおととし8月、同居していた70代の両親の胸などをナイフで刺して殺害したうえ、遺体を傷つけたとして、殺人と死体損壊の罪に問われました。
これまでの裁判で弁護側は「犯人性を争う」として無罪を主張したうえで、「仮に犯人だとしても事件当時、何らかの精神疾患を患っていた」と述べ、刑事責任能力について争っていました。
15日の判決で岐阜地方裁判所の村瀬賢裕裁判長は犯人性について「被告の足に母親の血液が付いており、ナイフが被告の部屋から見つかった。第三者の関与がうかがえる証拠がない」などとして被告を犯人と認めました。
そして刑事責任能力については「日常生活を問題なく行い、ナイフを隠すなどの証拠隠滅や捜査機関などに対して自己防衛するような態度をとっており、善悪を判断する能力を失っていない」と指摘しました。
その上で、「統合失調症の影響は否定できないが殺傷能力の高いナイフで強い殺意を持って殺害したうえで遺体を傷つける行為は悪質で、結果は重大だ」などとして検察の懲役30年の求刑に対し、懲役29年の判決を言い渡しました。