釣堀のニジマス約3000匹が長良川に流出か 生態系へ影響は

先週、降った雨の影響で岐阜市の長良川が増水し、川の一部に設置されていた釣堀から、およそ3000匹のニジマスが川に流れ出たとみられることがわかりました。
ニジマスは、ほかの魚などを食べる外来種であゆなどの生態系への影響を懸念する声が出ています。

この釣堀は、鵜飼のオフシーズンにも観光客を呼び込もうと2月1日から3月31日までの期間限定で長良川漁業協同組合が設けました。
ふだんは、鵜飼の観覧船を係留している川のおよそ3000平方メートルを石積みの堤防や網で囲い、ニジマスおよそ1万匹以上を放流していて、これまでに700人余りが訪れ釣りを楽しんでいました。
ところが、組合や釣堀の運営会社などによりますと2月19日の雨の影響で長良川が増水し、下流側の石積みの堤防を超えて水が流れ出したほか、上流側に設けられていた仕切り用の網も壊れ、当時、釣堀の中に放流されていたおよそ6000匹のニジマスのうちおよそ3000匹が川に流れ出たとみられるということです。
ニジマスは、北米が原産の魚でほかの魚などを食べるため、国などのリストで適切な管理が必要とされる「産業管理外来種」に分類されています。
長良川のほかの場所では、放流もされていますが、釣堀から流れ出たことで、あゆなどの生態系への影響を懸念する声が出ています。
現在は水位が下がり、仕切りの網も復旧しましたが、組合は、河川を管理している国から出水時の対応などに問題がなかったか報告するよう行政指導を受けました。
釣堀は2月20日から休業していて、国の許可が得られ次第、営業を再開することにしています。