自衛官銃撃事件 当時の候補生を検察に送り返す決定 

去年、岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で、実弾射撃の訓練中に隊員が小銃で銃撃され3人が死傷した事件で、弾薬を奪おうと3人を銃撃したとして岐阜家庭裁判所に送られた19歳の当時の自衛官候補生について、裁判所は刑事処分が相当だとして検察庁に送り返す決定をしました。

去年6月、岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で、実弾射撃の訓練中に19歳の当時の自衛官候補生が小銃を発砲し、52歳の1等陸曹と25歳の3等陸曹が死亡し、別の3等陸曹も重傷を負いました。
関係者によりますと当時の候補生は専門家による精神鑑定の結果、刑事責任能力を問えると判断されたということで、検察は1月、弾薬を奪おうとして3人を銃撃した強盗殺人などの非行があったとして家庭裁判所に送りました。
19日の審判で岐阜家庭裁判所の濱口紗織裁判官は「小銃を丸腰の隊員に対して撃つという行為は危険極まりなく、人の命の重さを全く顧みない残虐な犯行であり、社会的影響も深刻だ」とした上で、「少年の性格や年齢、環境などの事情を考慮しても刑事処分以外の措置を相当と認めることができる事情は見当たらない」などとして検察庁に送り返す決定をしました。
検察はこの決定を踏まえ、当時の候補生を起訴するかどうか判断することになります。