“刑事責任能力を問える”判断 陸自銃撃事件で検察

去年6月、岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で、実弾射撃の訓練中に隊員が小銃で銃撃され3人が死傷した事件で、逮捕された当時の自衛官候補生について、検察が精神鑑定の結果などから刑事責任能力を問えると判断したことが、関係者への取材でわかりました。

検察は23日、当時の候補生を強盗殺人などの疑いで家庭裁判所に送りました。
去年6月、岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で、実弾射撃の訓練中に19歳の当時の自衛官候補生が小銃を発砲し、名古屋市の守山駐屯地に所属する52歳の1等陸曹と25歳の3等陸曹が死亡し、別の3等陸曹も重傷を負いました。
関係者によりますと、当時の自衛官候補生は最初に逮捕された後の調べに対し「銃と弾薬を自分のものにしたかった。弾薬を奪うために邪魔な人を撃った」などと供述した一方、3人への殺意はいずれも否認したということです。
岐阜地方検察庁は1月18日まで約6か月にわたって鑑定留置を行い、専門の医師が当時の精神状態などを調べていました。
関係者によりますと、鑑定では善悪の判断や行動の制御に影響を及ぼす精神疾患は認められず、検察はこうした結果などを踏まえ、当時の候補生について刑事責任能力を問えると判断したということです。
岐阜地方検察庁は23日、当時の候補生が弾薬を奪おうと3人を銃撃したとして、強盗殺人などの疑いで岐阜家庭裁判所に送りました。
今後、家庭裁判所が刑事処分が相当と判断すれば、当時の候補生は検察庁に送り返され、検察が起訴について判断するものとみられます。