クマ被害防止へ 来週から目撃多い地域で緊急点検

クマによる被害が相次いだことを受けて「クマ出没警戒情報」を出している岐阜県は27日被害を防ぐ対策などについて話し合う会議を初めて開き、来週前半からクマの目撃が多い地域で緊急点検を行うことなどを確認しました。

27日県庁で開かれた会議には県の関係部局の担当者や専門家などが出席しました。
この中でクマの生態に詳しい岐阜大学の淺野玄准教授がことしのようにドングリが凶作傾向だと冬眠前に脂肪を蓄積しようと人里に出てきやすくなるとしたうえで、住民の「いつもならここにはクマは出ない」、「自分は大丈夫」などの思い込みをなくすよう注意喚起することが重要だなどと指摘しました。
また、クマの目撃が多い地域で来週前半からクマを引き寄せる果物やごみが残っていないかや、クマの潜みそうなやぶがないかなどについて、専門家とともに緊急点検を行うことなどを確認しました。
淺野准教授は「クマが冬眠するまであと2か月ほどは注意が必要かと思う。ふだん出てこない場所でもいっそう注意をして、遭遇のリスクを下げてほしい」と話していました。
岐阜県内では今週、高山市と飛騨市でクマに人が相次いで襲われ、県によりますと今年度、被害者は6人と、昨年度の1人に比べて急増し目撃情報も25日までに524件と昨年度の2倍以上になっていて県は「クマ出没警戒情報」を出しました。
こうした中、白川村では観光施設の合掌造り民家園が園内で26日クマのフンが確認されたことを受けて28日と29日に予定していた紅葉のライトアップを中止するなど、観光面にも影響が出ています。