水源地周辺の井戸で目標値の最高9倍 各務原市のPFAS

各務原市は、水道水の水源地から有機フッ素化合物の「PFAS」の一部の物質が高い濃度で検出されたことを受け水源地周辺の井戸で地下水を調査したところ44本のうち13本で国の目標値を超えていたことを明らかにしました。
最も高いところでは目標値の9倍に達していたということです。

各務原市では市民の半数に水道水を供給している三井水源地で有機フッ素化合物の「PFOS」と「PFOA」が、国の暫定的な目標値を超える濃度で検出されています。
これを受けて市と県は8月以降、水源地から半径500メートルの範囲にある住宅などの44本の井戸で地下水の水質を調査しました。
その結果、PFOSなどの濃度は13本で1リットルあたり50ナノグラムとする国の目標値を超えていて、最も高いところでは9倍の450ナノグラムに達していました。
このうち11本が飲み水用に使われていて、市は住民などに対し、浄水器を設置するなどの対策をとるよう呼びかけました。
また、結果をエリア別に見ますと航空自衛隊の岐阜基地に近い水源地の北東側で数値が高かったものの原因については今後の調査結果を待つ必要があるとしています。
市と県は今回、目標値を超えた井戸の周辺や市内全域で地下水の調査を進めることにしています。
一方、市と県はこの水源地から配水されている小中学校や保育所、高校など約50施設に約700個の浄水器を設置しています。
このうち小中学校と高校のあわせて4つの施設で水道の水質を検査したところ浄水器の設置前は1リットルあたり66ナノグラムから70ナノグラムだったPFOSなどの濃度は設置後はいずれも5ナノグラム未満になっていたということです。
市の教育委員会は「保護者などに安心してもらえる結果ではないか。今後も月1回のペースで検査を続けたい」と話しています。